不動産ニュース
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文書作成日:2018/7/3
所有者不明の違反建築物

 6月18日に発生した大阪府北部を震源とする地震により被災された皆様には心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復興をお祈りいたします。

 この地震では高槻市立の小学校において、学校のプールのブロック塀が幅40mにわたって倒壊し、登校中の児童が亡くなってしまうという事故がありました。高槻市は18日夜に記者会見し、塀が建築基準法に適合していなかったことを明らかにしました。

 建築基準法に違反している建築物は「違反建築物(違法建築物)」と呼ばれますが、今回のように、所有者がわかる建築物ばかりではありません。空き家など所有者不明の建築物が違反建築物であった場合にはどうなるのでしょうか。

 建築基準法では、違反建築物に対する措置を次のように定めています。

<第9条1項>
特定行政庁は、建築基準法令の規定又はこの法律の規定に基づく許可に付した条件に違反した建築物又は建築物の敷地については、当該建築物の建築主、当該建築物に関する工事の請負人(請負工事の下請人を含む。)若しくは現場管理者又は当該建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者に対して、当該工事の施工の停止を命じ、又は、相当の猶予期限を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用禁止、使用制限その他これらの規定又は条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。

 このように、特定行政庁から所有者へ行政命令が下されますが、是正措置を取らないなど、その命令に従わなかった場合は最終手段として行政代執行が行われます。行政代執行は次のように定められています。

<第9条12項>
特定行政庁は、第一項の規定により必要な措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき、又は履行しても同項の期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法(昭和二十三年法律第四十三号)の定めるところに従い、みずから義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。

 このようにして行われた行政代執行の費用は全額所有者が負担することになります。

 実際には、このような事故が起こってしまったり、周囲の方々から役所へ、問題が発生したことの連絡があったりした後に対処し始めるため、建築物の所有者が不明となってしまっている場合には、是正命令が届かず、費用請求もできなくなっていることが考えられます。その結果、地方公共団体が負担することとなってしまいます。

 周囲に迷惑をかけないためにも、所有者の方が建築基準法その他法令に従って建築したり管理したりしていただきたいところですが、遠方であったり、相続を繰り返して所有者がわからなくなってしまっていることも考えられ、早急な解決は困難だと感じます。

※作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 

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